KA3-01

06.12(金) 09:30-10:10 国際会議場KA

科学的発見のエンジンを創る

過去400年にわたり、科学的方法は人間の手によって遂行され、機械はあくまで補助的な役割にとどまってきました。しかし私たちは今、AIシステム自身が仮説を立て、実験を設計し、結果に基づいて反復的に改良を重ねていく――それも休むことなく、いかなる人間のチームも追随しえない速度で――そうした閾値に達しつつあります。ノーベル・チューリング・チャレンジは、これを具体的な目標として提示しました。すなわち、最高の評価に値する重要な科学的発見をなしうるAIの実現です。かつては挑発的な問題提起と受け止められていたものが、今や実現に向けたロードマップとして読まれ始めています。それはまさに、科学的発見におけるワープドライブと言えるでしょう。 本基調講演において、北野宏明博士は、このようなエンジンを構築するために何が必要かを論じます。基盤モデル、自律型ロボット実験室、そしてこれまでの科学が築き上げてきた広大な知識グラフ――これらの間で今まさに進行している収束に焦点を当てるとともに、そこから立ち現れる、より本質的な問いにも踏み込みます。機械が数百万の仮説を生成するとき、いかにして仮説は選び取られるのか。すべての過程を人間が追跡していないとき、発見はどのように検証されるのか。そして、眠ることのない自律的AIサイエンティストを前にして、科学という制度はいかに適応していくのか。来たる10年は、単に科学を加速させるだけではありません。その時間軸そのものを湾曲させることになるでしょう。
Speaker

(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所
代表取締役社長 /

(学)沖縄科学技術大学院大学(OIST)
教授

北野 宏明

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