2019年、Bluetooth Special Interest Group（略称「Bluetooth SIG」；Bluetoothの規格策定とBluetooth技術/商標のライセンスを監督する業界団体）は、Bluetoothコア仕様のバージョン5.1の一部として、「方向探知機能」の追加を発表しました。BluetoothビーコンのRSSIを用いて近接位置を推定する従来の測位技術は、当該「角度推定」機能が加わることで、一段上のレベルに引き上げられます。 AoA（到達角度）及びAoD（発信角度）方式によりBLE（Bluetooth Low Energy）信号の角度方向が検知され、最小10 cmまでの精度とほんの一瞬の遅延時間を以て位置を計算する事ができます。AoA方式は、資産トラッキング等に有効な「ネットワーク中心」のシステムアーキテクチャに適合する一方、AoDは「モバイル中心」/「消費者中心」のユースケースに最適です。 本講演では、AoA/AoD両方式の主要機能を、スマートビル、ホームオートメーション、アクセス制御、健康経営、経路探索他の位置情報活用サービスに焦点を当て、実際の実装事例もご紹介します。