IT業界人のための「これなら分かる、量子ネットワーク分類学」
通信網と言えば電話網やインターネット等の様々が存在してきたのと同様に、量子情報技術に立脚する通信網も、様々が提案されている。
本講演では、「量子インターネット」の研究に取り組み続けてきた研究者らが設立した量子インターネットタスクフォース(https://qitf.org/)の代表を務めるスピーカーが、量子ネットワークの分類学について解説する。
現在、世界的に研究開発が進められている量子ネットワークは二種類ある。一つは、社会実装段階にある「量子鍵配送ネットワーク」(しばしば量子暗号ネットワークとも呼ばれる)である。量子鍵配送ネットワークは、中継ノードへのトラストを必要とするものの、各中継ノード間を結ぶファイバー等への盗聴に対する秘匿性を量子水準で担保できる。もう一つは「量子インターネット」と呼ばれており、基礎研究段階であるものの、End-to-Endでの通信セキュリティを量子水準で担保できる他、汎用的に量子データを伝送できる、量子コンピュータネットワークである。
関連する量子情報技術の入門と共に、量子ネットワーク技術の分類学について紹介し、量子と通信の将来を展望する。